耐震はどうすればいい?制震?免震?-地震に対してお伝えしたいこと- | 人生がときめく平屋の新スタンダートを提供|群馬で新築、平屋の注文住宅を建てるなら前橋のシンクホーム

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耐震はどうすればいい?制震?免震?-地震に対してお伝えしたいこと-

 

 

こんにちは。自然素材を使ったデザイン平屋住宅のシンクホームです。

 

 

家づくりを考え始めると、性能についても考えるかと思います。

でも、色々調べても何が正解なのかわからなくなりますよね。

 

 

今回は耐震についてのお話です。

 

このお話を読んで、こうすれば良い!と正解にはたどり着けないかもしれません。

 

それでも、こういう考えもあるんだと、参考にしていただければと思います。

 

 

<INDEX>

◇耐震等級の区分は1~3

◇耐震等級3は必要なのか?‐必要壁量と等級‐

◇誤解を恐れず伝えたい耐震についての考え方①‐2016年熊本地震の話‐
・2016年に起きた熊本地震…
・しかし、誤解を恐れずに言います…
・「直下率」という考え

◇誤解を恐れず伝えたい耐震についての考え方②‐群馬県の地震事情
・群馬県の地震事情
・地震保険はどうしますか?

◇地震については気にしなくても良い?-群馬県の地震最大被害想定とは?-

◇何を最優先にするのかを、まず考えてください

◇耐震だけではない、地震に対抗するチカラ
・「免震」と「制震」とは?
・そもそも平屋は…

◇おわりに…

 

 

 

まずは基本的なお話から…

 

耐震性能については耐震等級でわかります。

 

耐震等級とは、地震への強さを表す指標です。

耐震とはその名の通り地震に耐えること。

大きな揺れによるチカラにも建物が倒壊せずに耐えられるようにする、という考えが耐震です。

 

耐震等級の区分は1~3

 

耐震等級には1~3までの3つの区分があります。

数字が大きくなるほど耐震性が高い、性能が良いと言えます。

 

 

耐震等級1
建築基準法で定められた、建物に備わっているべき最低限の耐震性能。

数百年に一度レベルの地震に耐えうる強度を持つように構造計算されている。

耐震等級2
建築基準法(等級1)の1.25倍の耐震強度を示している。

補助金や住宅ローンの利率優遇などを受ける際に必要な長期優良住宅などの認定を受けるためには等級2以上が必要となる。

また、災害時避難場所に指定される学校や病院などの公共施設は、必ず等級2以上の強度が必要である。

耐震等級3
等級1の1.5倍の耐震強度を示している。最も高い耐震性能。

災害時の救助・復興活動の拠点として使われる消防署や警察署の多くが等級3で建設されている。

 

 

等級を分ける基準は計算によって求められ、“建物自体の重さ”、“耐力壁や耐震金物の配置”、“家の基礎”などが計算に影響します。

 

※耐力壁…

建物強度を保つために必要な壁。地震による揺れや風などによる水平方向に掛かるに力に対抗するための壁のこと。

 

※耐震金物…

住宅の大事な骨組みとなる土台や梁などを繋いだり支えたりするために用いる金物

 

 

耐震等級3は必要なのか?‐必要壁量と等級‐

 

等級3を目指せば、安心の住宅となるでしょう。

しかし、そのためにはお金が掛かります。

 

そして、希望の間取りを実現できない場合もあります。

耐震等級を上げるということは、単純に考えると、壁の量を増やすということになります。

 

基準の計算方法は様々ありますが、その内の一つに『必要壁量』というものがあります。

要するに壁をこのぐらい作ってください、という基準ですね。

 

この『壁量』は、等級1を基準に比べると、等級2では1.5倍程度、等級3では2倍程度となります。

 

少し乱暴な考えですが、等級1の家と比べて、等級3になると壁だらけの壁に囲まれた家になるということです。

 

必要な壁の量が増えるため、希望通りの間取りにするのも難しくなり、「憧れの広いリビング」を諦めることになる場合もあります。

 

そして、壁が増えるために、その分費用もあがります。

 

※実際には細かい計算方法があり、“そのまま壁が倍になる”という単純な計算ではありませんが、壁が増えること自体は基本の考えとなります。

 

 

「安心の住まいのために、等級3を目指す」という想いがあるのならば、

お金と間取りについて許容する必要があるということになります。

 

 

誤解を恐れず伝えたい耐震についての考え方①‐2016年熊本地震の話‐

 

日本は地震大国です。

世界で起こる地震の10~15%が日本で起こっていると言われています。

そして、マグニチュード6以上の大きな地震になると、およそ20%が日本で起こっているそうです。

 

様々な大地震を経験し、教訓を得て、法律を改正し整備する。

そうやって、建築基準法の耐震基準がつくられています。

 

そして、2000年以降に建てられた新築住宅は地震に強いとされています。

この年の法改正により、地盤調査の事実上義務化や基礎構造や耐震金物、壁の配置バランスなどが規定されるようになったからです。

 

 

しかし、2016年の熊本地震…

 

 

2016年に起きた熊本地震…

 

この地震で、現行の耐震基準で建てられた住宅の内7棟が全壊しました。

最大震度7を記録する地震が二度に渡り起こり、一度目には耐えた住宅も、続けて起こった二度目の大型地震には耐えられなかったとされています。

 

 

とても痛ましい出来事で、実際に全壊をしてしまったという事実は、不安を大きくしてしまいます。

 

 

そんな地震の中、等級3の住宅についてはほとんどが無被害で、あっても軽微なものであったと言います。

そして、2016年熊本地震以降、等級3を目指すべきだとの考え方が広まっていきました。

 

 

しかし、誤解を恐れずに言います…

 

ある一つの考え方として、お読みください。

 

2000年以降の約20年で、現行耐震基準で全壊となった住宅は7棟。

東日本大震災や他の地震では、全壊となった住宅(現行耐震基準)はありません。

 

確率としては非常に低く、日常生活において、交通事故に遭う確率の方が格段に高いとえます。

であれば、耐震にお金を掛けるよりも、安全性能の高い車に買い替える、というのも一つの考え方なのではないでしょうか?

 

 

そして、7棟の全壊した住宅の内およそ半数が施工不良だったということです。

(耐震基準における規定の金物の不使用)

 

ちなみに、熊本地震にて調査を行った現行基準の住宅は300数棟。

等級3の住宅は、その内の16棟しかありませんでした。

確かに全壊は無く、被害があっても軽微なもの、そしてほとんどが無被害ではありましたが、データとしては事例が少ない、というのも事実です。

 

 

「直下率」という考え

 

熊本地震では、等級2の家も全壊しました。

しかし、それには「直下率」というものが影響していたと言われています。

 

※直下率…

簡単に言うと、一階部分と二階部分の柱や壁の位置が一致している割合のこと。

柱や壁の位置が一階部分と二階部分でバラバラになっていると、直下率が低くなる。

 

全壊した等級2の住宅は直下率が低かった、という調査結果があり、それが原因となったと言われております。

 

 

この直下率、実は、建築基準法において明確な基準はありません。

 

つまり、耐震等級を上げる、等級2や等級3を目指すために、クリアすべき直下率の基準というものが無いということです。

 

どんなに柱と壁のバランスの悪い、直下率の低い住宅だとしても、他の基準を満たすことができていれば、それは「等級3の家」になるということです。

 

少しオーバーに言いましたが、満たすべき直下率の基準が無いということは事実です。

 

ただ単純に等級を上げれば安心だというわけではないことがおわかりいただけたかと思います。

 

 

また、熊本地震以降、直下率という考えが広まり、バランスの良さも考えられた家づくりが浸透してきているとのも事実です。

 

 

誤解を恐れず伝えたい耐震についての考え方②‐群馬県の地震事情‐

 

群馬県は災害が少ないと考える県民は多いのではないでしょうか?

台風の直撃もあまりありませんし…晴れの日が多く風水害被害が少ないは事実です。

 

そして、地震についても群馬県は被害が少ないと言えます。

 

群馬県の地震事情

 

気象庁「震度データベース」によると、震度4以上の地震発生件数は群馬県が関東一少ないことがわかります。※下図参照

 

以前から話題にはなって、必ず起こるだろうと言われている大地震はご存じでしょか?

 

南海トラフ地震と首都直下型地震です。

 

※南海トラフ地震…

静岡県の駿河湾~九州の東側沖あたりまで続く深いくぼみ(トラフ)で起きると予想されている地震。

 

もしも南海トラフ地震が起こった際には、群馬でも震度5程度の地震が計測されるだろうと言われていますが、死傷者はもちろん、建物への被害もほとんど無いだろうと予測がされています。

 

※首都直下型地震…

東京都、神奈川県、または埼玉県などの首都近郊で起こると予想されている大型地震。

 

首都直下型地震に関しても、群馬県内での被害は少ないと予測されています。

 

南海トラフ地震も首都直下型地震もいつ起こるのかは決して分かりませんが、30年以内に起こる可能性は高いと言われています。

 

 

あくまでも予測で、絶対ではありません。

群馬県内の地震事情について、お話させていただきました。

 

 

地震保険はどうしますか?

 

住宅新築の際に火災保険は住宅ローン加入の際に義務付けられています。

しかし、地震保険については任意となっています。

 

群馬県内で新築を建てた方で、地震保険に加入される方は全国で比べて少ないと言われています。

それは、上でも説明したことと同じように、ほとんどの方が地震による被害は少ないだろうと考えているからです。

 

事実、地震保険料算出のための保険料率は、群馬が全国でもトップレベルの安さとなっています。

これは、地震発生件数や被害想定などを基に算出されているそうで、群馬は地震による被害は少ないとデータで表されているということになります。

 

 

地震については気にしなくても良い?-群馬県の地震最大被害想定とは?-

 

群馬は地震の被害は少ない、というのはデータなどからも事実とは言えます。

 

しかし、あくまでもデータや予測ですので、絶対安全とは言えません。

 

実際に、群馬県庁は平成24年に「群馬県地震被害想定調査」というものを発表しています。

 

 

※「群馬県地震被害想定調査」(平成24年)…

群馬県内で発生した場合に、被害が最も大きくなるだろうと予想される①関東平野北西縁断層帯主部による地震②太田断層による地震③片品川左岸断層による地震、これら3つの地震が発生した際の被害想定を調査したもの。

ただし、文部科学省地震調査研究推進本部によると、この3つの地震が発生する確率は極めて低い、または、確率を算出するための十分な知見が得られていない、とのこと。

 

 

この調査結果によると、3つの地震が実際に起こった際の最大被害想定は1995年の阪神・淡路大震災を2割~3割上回る被害が出るとされています。

 

 

確率は極めて低いとはされていますが、群馬では絶対に大きな地震が起こらない、というわけではなく、被害も大きなものになるかもしれないということがわかります。

 

 

何を最優先にするのかを、まず考えてください

 

シンクホームでは、耐震等級2をベースに設計をしています。

 

家づくりにおいて、家を建てた後に、どんな暮らしをしたいのか、どんな想いをお持ちなのかを大事に考えているからです。

 

 

お金の不安などはもちろんのこと…家族が自然に集まるような居心地の良いリビング、ランドリー室やウォークインなどの家事のしやすい動線、パントリーや玄関収納などをしっかりと設けたい、など、暮らしやすさや心地よさに関わるのが間取りとなってきます。

 

等級3を目指すにあたり、そのような想いを実現できない場合もあります。

 

耐震にばかり目がいき、結果、暮らしやすさを損なう間取りでは家づくりが成功したとは言えません。

 

ただし、家づくりにおける最優先事項に耐震や安全性能のことを考えているならば、そちらを実現すべきと言えます。

 

 

間取りのこと、性能のこと、予算のこと…

 

全てを実現する家づくりは、残念ながら難しいとも言えます。

 

どこかには折り合いをつけて、“ちょうどいい”家づくりを考えましょう。

 

 

そのために、叶えたい要望を全てリストアップして、全てに順位をつけましょう。

 

 

耐震だけではない、地震に対抗するチカラ

 

改めて…耐震とは、地震などによる揺れから建物が倒壊などせずに耐えられるようにするということ。

 

地震に耐えるだけではなく、他にも対抗する方法があります。

 

「免振」と「制震」です。

 

「免震」と「制震」のチカラ

 

※免震…

揺れによる力を逃がし伝わらないようにする。

建物と地盤の間に積層ゴムなどの免震装置を入れるという仕組みで、揺れを70~80%抑えると言われており、建物だけでなく家具などの転倒リスクも軽減できる。

 

免震は、地震に対して最も効果が高い方法と言えます。

 

しかし、「耐震」「制震」と比べて費用がとても高く数百万円~掛かり、維持メンテナンスにも費用が掛かります。

 

 

※制震…

揺れを吸収して伝わりにくくして、建物への負荷を軽減させる。

土台や柱などの構造にダンパーなどの制震装置を取付けて揺れを吸収し、免振ほどではないが、家具などの転倒リスクも軽減できる。

 

制震装置の費用は数十万円~で、免震に比べると現実的な方法であると言えます。

 

※参考:制震装置「evoltz」

 

 

 

耐震等級3を目指して理想の間取りを実現できないのであれば、等級2にして理想の間取りにしつつ、制震ダンパーを取り入れる、という方法もあります。

 

 

そもそも平屋は…

 

二階建てと比べて、平屋の方が地震に強いとされています。

 

理由としては2点…

・揺れにくい

建物は高くなればなるほど不安定で揺れやすくなります。

二階建てに比べて、一階部分だけの平屋は揺れが伝わりにくく、高さのある建物に比べて揺れが収まるのも早いため、建物へのダメージも少なくすみます。

 

・つぶれにくい

建物へ激しい揺れによる力が伝わり、柱などが耐えられなくなると、上にある重量物を支えることができなくなり、建物自体がつぶれてしまいます。

二階建てにおける重量物とは、屋根+二階部分。

しかし平屋には重量物が屋根しかりません。重量物が少ない平屋は、二階建てに比べてつぶれにくいと言えます。

 

 

 

 

そして、直下率についての話がありましたが…

 

耐震等級を上げたとしても、一階部分と二階部分の柱や壁の配置のバランスが悪く、直下率が低くなると、果たして地震に強い家と言えるのかは、疑問が残るところとなります。

 

 

平屋の場合は…直下率の心配は必要ありません。

 

二階部分が無いからです。

 

 

直下率が低いと耐震等級が良くても倒壊の危険も考えられますが、平屋の場合は直下率の心配なく、バランスなど関係がないため、地震に強い家と言えます。

 

 

おわりに…

 

災害に対して絶対はありません。

 

大切な家のことですから、「耐震等級は低くても大丈夫です」とは言えません。

 

誤解を招く言い方あったかもしれませんが、一つの考え方として、頭の隅に入れていただければ幸いです。

 

 

性能については、どこまで目指せば良いのか難しい問題かと思います。

皆さん、家づくりは初めてのことだからです。

そして、一生に一度の家づくりですから、失敗はしてほしくありません。

 

 

「断熱性能&耐震性能は最高等級を実現した家づくりをします!」

と、住宅会社から宣言している方が、お客さまにとってはいっそ分かりやすく、安心の家づくりなのかもしれません。

 

でも、そこまで性能を望んでいないのであれば、費用を掛けるのはもったいないですし、希望の間取りがあるなら実現すべきです。

 

 

私たちシンクホームでは、お客さまの“想い”を大切にしたいと考えます。

 

 

何を想い、どんな家づくりをしたいのかをしっかりと考えてください。

 

 

 

それから、お金の不安と、性能のことと、しっかりと相談をさせてください。

 

遠回りかもしれませんが、それが家づくり成功への近道となると考えます。

 

 

参考出典

-群馬県庁

-気象庁

-家づくり知識メディア『グッシン』

2022年06月28日 | カテゴリー: /
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